愛の綱引きをしましょう

とりあえず記録

SZ10TH 祝福と敗北宣言

 

2021年3月26日大阪城ホールにて、Sexy Zone Anniversary Tour 2021 SZ10THが行われた。

宮城公演が新型コロナ感染拡大のため延期となり、実質初日だった。

これまで通りとは程遠い形ではあるが念願の有人コンサートである。陽射しも暖かでどことなく祝福されている気分になりながら、はじめて彼らのコンサートに参加した。

 

前々日からうちわを作り、服やメイクなどを考え、当日2時間と少しかけて身支度を済ませた。Sexy Zoneの曲をかけながら準備をする時間はとても幸せだ。ジャニーズ以外の現場も軒並み中止になっていたので「あー!!コンサートって、ライブってこういうのだ!!!忙しさが楽しい!!!!」と久しぶりの感覚に浮かれていた。

 

当日、電車内で喋ることはできないため同行者とLINEで会話しながら、どんどん合流していくツアーグッズを持った同志の方々を見つけては嬉しくなった。繰り返しになるが「今コンサート会場に向かっている!!」を体感するのが久しぶりだったためだ。

JR大阪城公園駅につくとケンティーのポスターが出迎えてくれた。流石だなと思った。偶然が必然に思える力を持っている人。

 

会場につき、座席が判明。アリーナだった。配られていたスマイルアップシールドをつける。

お手洗いが混んでいて時間ギリギリだったため着席後ほどなくしてセクベアが現れ、手拍子で会場の士気が高められる。

  

幕が切って落とされる。小さな子どもたちの映像が流れ、会場に響いたのは「LET’S MUSIC」だ。実は、1曲目はこの曲だろうと予想していた。いや、この曲がいいと願っていたという方が正しいかもしれない。「会ったときにこの曲で踊って盛り上がってほしい」宣伝でそう何度も口にしていた言葉を現実にしたかったのだ。なんだか思いが通じ合っていた気がして一気に幸福の絶頂に連れてかれてしまった。

 

それから私を沼落ちに導いた「NOT FOUND」を含む数曲があり、「PAGES」を匂わせたのちランドセルを背負った「恋がはじまるよーー!!!」がきた。

これはもう超 絶 嬉しかった。好きな曲、好きな演出だというのはもちろんのこと、周年だからこそできること、大きな価値があることだからだ。

パンフレットでの菊池さんの発言を引っ張ってこよう。

10年の振り返りは随所に出していきたいね。(中略)あのときのSexy Zoneと今のSexy Zoneを表現するっていう。

私はPAGESとPOP×STEPを意識している演出しか気づけないけれど、レポを見るとこの言葉通り他にも過去のアレコレに関連した演出があったようだ。つまり、彼らと歩いてきた歴史の分だけ多くを受け取ることができる。中には私のように「あのときのやつ生で見れた!」の人もいただろうし、当時の自分の気持ちを思い出した人もいただろう。観客の数だけ「私とSexy Zoneの10周年」の形は違うのだ。

さらに、その演出に気づかなかったからといって楽しめないわけではない。置いてけぼりにされない程度の匂わせなのだ。そのバランスに、配慮に、優しさに、グッときてしまった。

 

とはいうものの、そのときはここまで言語化することもできずふわふわした好きを募らせていた。

(この演出に関わらず2時間と少しずっと好きを積み重ねてはいたが・・・)

なにせ私はなにもかも初めてだったのだ。興奮、ときめきに加えて絶え間なく衝撃が襲いかかっていた。

表面的すぎる上使い古されたフレーズだが、

と に か く 顔 が い い 。しかもスタイルまでいい。きちんと存在している人間だと確かめに行ったはずなのに、より一層2次元だという気持ちを強くして帰ってきてしまった。

4人バラバラで外周で歌うとき、私の席から一番近いのが勝利くんのことが多かった。テレビで見る顔のままで、本当に加工せずにこれなんだ…とか思いながら見つめていた。ペンライトやうちわ、観客の顔を見ている顔がとても優しかったのが印象に残っている。

4人がセンステで回っているとき、遠いのに近くて、近いのに遠かった。手を伸ばせば届く距離というわけにはいかないから物理的には離れていたけれど、テレビでみるより遙かに近い。コンサートを一緒に作りあげているからテレビでみるより遙かに心理的には近いはずなのに見まぶしくて、キラキラしていて、エネルギーであふれていて、4人がいるところだけ異空間のように感じるくらい隔たりを感じた。「世界が違う」端的に言うとこうだ。

余談だが閉演後、同行者に「スマイルアップシールドつけてて良かったなって思ったの。なんか一枚かませてたから汚れさせずにすんだっていうか..」と漏らしたら同意をもらえた。次会うときはもっと人間としてのレベルを上げていたいね、なんて話をした。

 

このようにやっぱり2次元じゃ~んとか思っているのがバレたのだろうか。突然スクリーンに乙女ゲームの紹介が流れた。その名も「PEACH for ...」。メンバーがキャラクターとなり、甘い言葉を言ってくれるようだ。勘弁してほしい。違和感が仕事をしていなかった。「ほら!やっぱり!!とうとう公式がやりおった!!!」会場でどのくらいの数の人がそう思ったのだろうか。

そして思い出される菊池さんによるファンミでの

中島くんのPEACHにかける思いはやっぱり人一倍強いですから

発言。プレイヤーとして説明するケンティーがずっとにっこにこで楽しそうでキュートだった。

ちなみにMCでまたまた菊池さんより、ケンティーが裏でPEACHの映像見ながら声だして笑っていたという情報がもたらされ、めちゃくちゃ元気出た。幸福感と満足感の渋滞だ。

私の記憶が正しければゲーム名は「PEACH for ...」で「...」の部分は「貴方」だと説明していた。信頼の中島健人ブランドである。

 

乙女ゲームでキャッキャしたあと「PEACH」「Honey Honey」と畳みかけられ悶絶し、MCに入る。

順番に「久しぶりですがどうですか?」と振られる。菊池さんの番。

「かわいくなったね」

リアルに息が止まった。喉の奥がひゅってなった。過去の恋人からのどの言葉よりもときめかされた。これが、何万何十万人を相手取って10年やってきたアイドルか、となった。元からそういうのがうまい人ではあると思う。しかし、しかしだ。分かっていても避けられない衝撃というのはある。

何度経験しても爆弾は爆弾なのだろう。向かって右のスタンド席から抑えきれなかったのがわかる短い悲鳴があがった(キャー!!ではない)。するとその方角に体ごと向けて「出ちゃった?」とニヤニヤしながら言うのだ。会場全体に向き直って「出しちゃダメなんだけど、出てしまう声っていいよね」「エロいよね」と続ける。私たちは拍手で応えるしかない。ただ、私の拍手は同意の拍手ではなく「菊池風磨に勝てないよ」「降参です」の拍手だ。

菊池風磨に翻弄されたい、手玉に取られたい、手のひらの上で踊らされたい、、、もはや本能的にそう感じてしまった。

 

他にも、中山優馬 w/B.I.Shadowの話が出たり、カラフルeyesの聡くんパートの補足が語られたりした。ビーアイはまだ解散していない、ジャケ写撮影した幻の2枚目シングルがある、と。残念ながら私はその時代のことに詳しくないが..

 

そしてJr.コーナーを経て、佐藤→菊池→中島→松島のソロ曲を4人で歌う。これまた興奮で曲名と「Mermaid」の演出(水鉄砲で遊んだり勝利くんだけたこ焼きのクッション持っていたりとにかくわちゃわちゃしていた)くらいしか記憶に残っていないのではやく円盤が出てほしい。

何曲か歌ったあとマリウスのソロ曲も4人で歌った。オレンジに染まった会場を潤んだ目に焼き付けていた。

「5人でSexy Zone」MCでは触れていなかったはずだけど、その気持ちを強く感じた。

 

順番が前後するが4人のソロ曲が終わったのち、「名脇役」が歌われた。私の席から1番近いスタンドのリフターに菊池さんがいた。

逆光で綺麗に顔だけ見えなかったとき、後光がさしているように見えたとき、脳がそれ以外の一切の認識を拒絶した。ただ光で飛んでいただけかもしれない。かもしれないが、そのとき私は菊池風磨しか見えていなかった。聞こえていなかった。感じていなかったのだ。それほど圧倒的だった。

平たい言葉しか出てこないのがもどかしいが、“尊い”とは“こう”なのだと身をもって知った。

ずっとその状態だったわけではない。勝利くんのマイクトラブルを心配したり、ここの歌い方好きだなとか思ったりする時間もあった。ただ、菊池風磨という存在に目も心も奪われた数秒間もたしかにあったのだ。しかも数回。

 

この衝撃を処理できないまま「all this time」で涙目になり、10周年お祝いメドレーに突入した。「Lady ダイヤモンド」「Sexy summerに雪が降る」「King&Queen&Joker」など6曲が過去の衣装と共に披露された。カラフルで豪華で、おめでとう!!!!!と心の中で何度も叫んだ。

そして「Sexy Zone」。サビの振りに合わせて薔薇のペンライトを振って盛り上がり、あるいは10年を噛み締めて、挨拶を迎えた。

以下それぞれの挨拶で印象に残っているところニュアンス

中島

「コロナ禍で歓声がなく拍手しかもらえないのかと思うときもあった。メンバー、 スタッフ、Jr.、セクラバのおかげ」

「セクシーサンキュー」

佐藤

「この10年間、辛いこと、楽しいこと、たくさんあったと思う。10周年の主役はフ  ァンのみなさん」

松島

「泣かないって決めてたけど...これは嬉し泣き。」

「これ以上喋ると枯れちゃうから」中島「ずっと咲いてるよ」

菊池

「辛いと思うこともあった」

 「メンバーがいるのは当たり前じゃないと気づいた」

「僕もこれ以上喋ったら」背中向ける→変顔「あ、そういうのはいらないと」中島「沁みとけ」菊池「皆さんの心の中の舌打ちが聞えました」中島「笑ってるよ」

 

ラストを飾るのはふまけん花道爆走「RUN」と感涙必須の「Change the world」だ。

「RUN」のときバクステで歌うお尻を見ていたことは覚えているが、他はあまり思い出せない。目に焼き付けなきゃと必死だったのは記憶にあるが、なに見ても感動してしまってダメだったのだろう。早く円盤を出してくれ(2度目)

 

4人が捌け、オープニングと同じ小さな子どもたちの映像が流れる。1人がおじいさんに問う。「僕らもSexy Zoneみたいになれるかな」答えは「君らしくいればいい」。

再びパンフレットから勝利くんの発言を引用する。

デビュー当時のコンサートはプロデューサーが色を付けてくれて、そこにはスタッフさんの意思もあって。デビュー曲にもある“大人の決めたやり方それが正解なの?”っていうところから、自分たちでライブも楽曲も決めていくところまでに変わったことを体現できるような10周年のライブになれたらいいかなって思うし、それがテーマだと思う。

見事だ。年齢的にも大人に振り回されることは致し方なかっただろうし、それが正解でもあっただろう。ただ、“Sexy Zoneらしさ”とはなにかを模索し続けたであろう彼らが着地した結論が自分らしくあることであり、メンバーやファンにそうあってほしいと願っているのだとしたら、この答えはお守りのように心の支えになってくれる。

 

映像が終わる。余韻に浸る間もなくアンコール曲「Twilight Sunset」が流れる。

「ずっとこのままでいたい」「今すぐこの瞬間を閉じ込めてよ」の歌詞が心情にぴったりあてはまった。

「ずっと今がいい~」バラエティーでの菊池さんの発言が脳内再生されて、こんなに浸っているときにまで出てくるのかと笑えてしまった。浸食されているよ。

1曲は短い。愛情、感謝、祝福を1万人以上と共有した時間に終わりが告げられる。会場が明るくなり、規制退場のアナウンスが流れた。

 

 

帰路につくまでの時間、さっきまでの光景を思い浮かべながら、自分が思っていた以上にSexy Zoneのことを好きになっていたことを受け止めていた。ファンクラブに入って3ヶ月でここまで感情ぶん回されるものかと驚いた。

そして、やっぱり菊池風磨のことばっかり見てたな~と心地よい敗北感に包まれていた。誤解しないでほしい。好きになりたくないわけではない。ただ、自分の好きの度合いを測りきれていなかったため、ずっと目で追っていたいくらい好きなのだと認めさせられて、こんなにもなのか~となってしまったのだ。

きっと菊池さんと綱引きをしたい時期なのだと思う。好きと認めたら底なし沼みたいな人を相手取って「いや私はまだ大丈夫だから」をしたいのだ。

ただ、今回は私の負けだ。格好良かった。かわいかった。愛おしかった。まぶしかった。髪がトゥルトゥルだった。大きな背中にときめいた。煽り方まで好きだった。楽しかった。楽しかった。楽しかった!完敗だ。

10周年おめでとう!!!!!